恋の予感

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和巳はその日泊まって行った 実はそのために折り畳みの簡易ベットもあり、そこに客用の布団をひいた 『明日俺午後からなんだ。そのまま寝かせといて』 『いいわよ。帰る時は鍵ちゃんと閉めてよ』 『わかってるよ…おやすみ』 『おやすみなさい』と私はドアを閉めた 私達はお互いの合い鍵を持っている。でも決して勝手に入らないようにしている。それが暗黙のルールなのだ だから鉄矢は言うのだ。お互いけじめつけて、結婚しろと… でもあまりにもお互い近すぎてそんな気持ちもったことがない そんな事を考えながら私は眠りについた 翌朝私は和巳の昼ご飯を作っておいて、会社に出掛けた マンションからは電車で30分と近い。だから朝にはかなり余裕がある 編集部の部屋に入るとすでにコーヒーのいいかおりがしていた 『おはようございます、立木さんコーヒーは?』 『おはよう。いただきます』 奈良山は私にコーヒーを持って来ると、小声で『この前の件ですけど、今晩はだめですか?飯…』 『ああ…いいわよ。今日は回るとこないし、記事かくだけだから。奈良山君はまたうさぎ乃先生のフォロー頼むわね』 『はい!ありがとうございます』 最近の奈良山は髪をかなり短いソフトモヒカンにして、洋服や靴も気取らないかつ個性的な物を着こなしている 編集部でも評判がよかった。でも急に食事なんて初めは『辞めたい』なんて言われそうで怖かった でも多分そうじゃなくて、今の仕事の事だろうと私は思った そのくらい彼は手応えは感じている
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