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その店は駅前の小さなスロット専門店だった。
もちろん入った事もなく、たかが一ケ月弱とはいえ、ほぼ毎日近くを通学時に通っていたにもかかわらず、スロット店とは知らなかった。
10時の開店前に皆でバイト先の喫茶店に集合し、徒歩で10分程のその店の開店行列に並んだ。
プロレスラーの入場曲が鳴ると同時に開く自動ドア、それが開き切らないうちに先頭の客から店内になだれ込む。
・平日であり
・午前中であり
・平常営業である
にもかかわらず、人間の欲望を満面に漲らせ必死の形相で皆が台を確保していった。
あまりの迫力にオタオタしながらも店内に入ると、先に素早く入場していたG君が2台並んで台を確保していてくれた。
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