四譚 変容

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  「私は永遠と須臾を操る月の姫。かつて数多の雄が挑んでは散っていった七つの難題、あなたは幾つクリアできるかしら?」   「日本語でお願いします」      ……あ、ちょっと顔が引きつった。     「私は永遠と須臾を操る月の姫。かつて数多の雄が挑んでは散っていった七つの難題、あなたは幾つクリアできるかしら?」   「日本語で……いやなんでもない」      ちょ、ちょっと心なしか言葉に刺がありますお姫様。  綺麗な顔が台無しですよー、などと言えるわけがあろうはずもなく。  いきなり、そりゃもう唐突に、ワケの分からない単語を並べ立ててた麗しの彼女。  とりあえず、七つの難題? とやらに挑めと言いたいらしい。     「なんで僕がそんなこと……いやなんでもない」      途中で睨まれたのが怖くて言葉を折る。  とにかく彼女にとっては、よっぽどその難題とやらをさせたいらしいのだ。  遊びに付き合ってると思えばいいだろう。どうせその程度だろう。     「……うん、分かったよ」   「素直でよろしい」      ころりと破顔。怒らせると怖いタイプだ。  怒らせることはしまい。言うことには素直に聞いていたほうが良さそうだ。その難題とやら、黙って受けた方が良い。  まぁそんな危険なことあるわけないか。どうにかなるさ。なんくるないさー。       でも僕の思いとは裏腹に、やっぱり希望的観測というものは悉く外れるもので。  その難題とやらは、僕の人生をまるっきり変えてしまったのである。
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