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「私は永遠と須臾を操る月の姫。かつて数多の雄が挑んでは散っていった七つの難題、あなたは幾つクリアできるかしら?」
「日本語でお願いします」
……あ、ちょっと顔が引きつった。
「私は永遠と須臾を操る月の姫。かつて数多の雄が挑んでは散っていった七つの難題、あなたは幾つクリアできるかしら?」
「日本語で……いやなんでもない」
ちょ、ちょっと心なしか言葉に刺がありますお姫様。
綺麗な顔が台無しですよー、などと言えるわけがあろうはずもなく。
いきなり、そりゃもう唐突に、ワケの分からない単語を並べ立ててた麗しの彼女。
とりあえず、七つの難題? とやらに挑めと言いたいらしい。
「なんで僕がそんなこと……いやなんでもない」
途中で睨まれたのが怖くて言葉を折る。
とにかく彼女にとっては、よっぽどその難題とやらをさせたいらしいのだ。
遊びに付き合ってると思えばいいだろう。どうせその程度だろう。
「……うん、分かったよ」
「素直でよろしい」
ころりと破顔。怒らせると怖いタイプだ。
怒らせることはしまい。言うことには素直に聞いていたほうが良さそうだ。その難題とやら、黙って受けた方が良い。
まぁそんな危険なことあるわけないか。どうにかなるさ。なんくるないさー。
でも僕の思いとは裏腹に、やっぱり希望的観測というものは悉く外れるもので。
その難題とやらは、僕の人生をまるっきり変えてしまったのである。
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