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「ふふ、何時になったら夜は明けるのかしらねぇ」
不敵に笑みを浮かべながら、輝夜さんは次の弾幕を放った。僕が被弾するごとに弾幕がリセットされるから、少しでも考える時間があってまだマシだ。
さて、突破の糸口がどこにあるのかは分かった。これからはそれを見つけ、掴んで引き寄せる行動をしていくことになる。
じっと、目の前の弾の群れを観察する。右に弾ける大きな弾あり、左に散らばる小さな弾あり。上に、下に、螺旋を描き、弧を描き。
あまりに不規則。
その中で一つだけはっきりしている確定事項があった。その弾幕は全て、輝夜さんから放たれて僕に向かっているということ。一つ一つの動きや大きさ、おおまかな方向は多種多様であっても、それだけは絶対だ。
今のところ、他に規則は見あたらない。
突破するには理詰め。理詰めのために、観察だ。
真っ直ぐ向かってきた弾を一つ避けた。
ギリギリまで見極めれば、走って避けることはできる。
次いで、右に大きく弧を描きながら向かってくる小さな弾と、螺旋を描いてゆったりと向かってくる大きな弾。その後ろには、小さな米粒のような弾が散弾のようにばらけていた。
……あれ? もしかしてこれ本当に不規則なんじゃないかな?
「えぇ、無茶苦茶投げてるだけだもの」
「なにそれ今までの苦労全部水の泡!?」
衝撃的事実。唯一の突破口だと思っていたものはハリボテだった!
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