一譚 希望の果て

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  □  巫女と魔法使いの二人はとある高校生の家に居候することになりました。  とある高校生の家は普通より少しだけ大きく、二人が泊まる分には問題はありません。  とある高校生の親も理解のある人で、二人のことを「家の事情で身寄りがない」と説明すると快く滞在を許可してくれました。  ただ、一つだけ問題があるとすれば。 「ええええええ……」  僕の心境に問題大アリ。溜まり溜まったもやもやを深い溜息に乗せてを吐き出すも、先行き不安は欠片も払拭されない。  今、部屋には僕を含め四人。渋いことにお茶をすすっている巫女少女、何故か部屋に置いてあったキノコ大百科を、これまた何故か貪るように読む魔法少女。  そしてベッドの上に追いやられてる僕と宗一郎。何か不服なものを感じざるをえないものの、我が家では基本的に男卑女尊。女の人の言うことは最優先事項なのだ。  そんなわけで僕はずっと二人に視線を向けていた。 「んー、どうかした?」  僕の視線に気付く巫女さんが凄く暢気な声を上げる。お茶をすすってまったりしているその姿は、神職さんに似つかわしくない光景である。  さっきまであんなに修羅背負ったみたいに威圧感出してたのに、それもどこへやら。 「まあまあ気にするな。私は気にしないぜ?」  寝ころんでキノコ大百科を眺めながら言う魔法少女、女の子にあるまじき大雑把っぷりを発揮。スカートの隙間から、その、見えそうです。  外見はフランス人形みたいなんだけど、口を開けばその印象は得てして崩壊する。 「また死ぬかと思ったぞ俺は」  そう言うのは宗一郎。ロードローラーに潰されても死にそうにない彼が今回の事以外でいつ死ぬかと思ったかは別として、まったくもっともである。  摩訶不思議で非現実的な命の危険に直面した割に、それほどまでする必要があったのかと疑問に思うほどあっさりと解決したんだから。  もっとも、それで助かった僕としては言い訳のしようもない。  僕のピュアなハートがパーフェクトブレイクだとしても、宗一郎は身体的ダメージを負ったと思えば。  我ながら上々の免罪符だと思った。    
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