451人が本棚に入れています
本棚に追加
/168ページ
□
「……ふわーぁ」
欠伸が耳に届いたことで、なんとなーく、「あ、今僕起きたんだなー」と認識する。
時計を確認。
上半身を起こす。
腕を伸ばして、窓を開けて空気を入れ換えるべく鍵に手をかける。
「……ん?」
手が止まる。
……あれ?
なんか、変だぞ?
それとなく脳が訴えてきた緩やかな違和感。
あまり気に留めることもなく、再び鍵に手をかけ、開ける。
ガラッ、と勢いよく窓が開かれ、違和感の正体が姿を現した瞬間──
「え、ええええええっ!? なんだこれぇっ!?」
真っ赤っか。
窓の外が真っ赤っかだったら、そりゃ驚くよ。
そりゃ目も醒めるよ。
って、えぇっ!? 真っ赤っかって何さ、真っ赤っかって!
違和感云々の話じゃなかった。
異常気象?
超常現象?
地球がヤバい?
有毒とかそういうガスの類?
「ってうわー!
部屋に入ってきたうわーうわー!!」
少し湿っぽい変な空気が僕の部屋の中も仄かに紅く染めていた。
なんか下手なホラー映画より余程コワイのですがっ。
毒ガスとかだったら冗談じゃない、口の中に空気を溜め込み頬を膨らませて呼吸を止めた。
そんでもって、手を振り回してその紅い変な空気を扇ぐ。
朝から早々、なんなんだよっ!
「その霧に触らないほうがいいわよ」
「……へ?」
背後からの声に振り返る。
少女二人が部屋に入ってすぐのところに立っていた。
一瞬、誰かと疑ったが、すぐに昨日知り合った二人だと思い出した。
出会った時と同じ、巫女と魔法使いのコスチュームを身に纏った、霊夢さんと魔理沙さんがいた。
最初のコメントを投稿しよう!