二譚 遊戯

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   つかつかと歩み寄る二人の平然とした顔つきに、昨日の出来事を思い出して少し体を強張らせる僕だったが。  ふと、その進行方向にある物を確認した。 「ぶふぉおっ!?」  宗一郎だった。盛大に蹴られた。  ところが素知らぬ様子で二人は僕も通り過ぎる。霊夢さんが手をかけたのは、さっき僕が開けた窓だ。  その先は、きっと今頃ニュースで大々的に取り上げられているであろう非現実。およそ僕のような一般人が知る由もない大自然の現象だと信じてやまない空。  窓の縁に足をかけ、霊夢さんは言う。 「行ってくるわ。夜には一旦帰ってくるけど、外には出ないこと」 「それじゃあ、行ってくるぜ」 「いやいや、ここ二階。玄関から飛び降りる、無理。玄関、そっち」  僕の中で持ち上がった一つの妄想に僕はすっかり動揺して、何故か話す言葉もカタコトになっていた。  まさか、まさかね。「大丈夫、飛べるから」とか言うわけないよね。  あらぬ妄想に我ながら苦笑していた時だった。霊夢さんが窓の縁に足をかけ、 「それじゃーねー」 「嘘ぉ!?」  飛んだ。まさか、いやまさか。僕が見る限りだが、人類が完全なる独立飛行を成し遂げた瞬間だった。  ワイヤーが設置されてる様子もなければ、飛行用の機械や専用の装置を身につけている様子もない。  日本では人類の独立飛行は法的に認められているのだろうか。例えそうだとしても、翌日の新聞一面はそのことで持ちきりだろうなぁ、凄いなぁ。  まるで夢みたいだ。あ、そっかコレは夢か。  
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