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ふわっ、とした不思議な感覚に襲われる。例えてみるなら、ジェットコースターのような。
そうそう、懐かしいなぁ。修学旅行の時に乗ったジェットコースターはこの後、
「うわあああ!?」
もの凄いスピードで落ちていくんだっけ。
初めての垂直落下。赤い世界に僕は放り出された。
もう遠い霊夢さんと魔理沙さんの背中。
気付く気配もないから助けてもらおうなんて土台無理な話。
「!? ──!」
無我夢中で藻掻くも、どう考えたって僕の体が宙に浮くわけもなく。
……夢の中でも僕は普通の高校生だったんだ、そうだ。夢だから痛くないだろうな、うん!
ここまで現実逃避に要した時間はコンマ2秒。轟々と真下から叩き付けられる風を感じ、やっぱり夢じゃないと悟るまで同じくコンマ2秒。
混乱する頭で必死に考える。すると赤い視界の端に緑が見えた。
「そ、そうだ! 確か僕の部屋の下には木があったはずへぶぁっ」
垂直落下終了。
結局為す術もなく地面に叩きつけられた哀れ僕。
でもどうやら、木がしっかり衝撃を和らげてくれたらしい。真っ直ぐ地面に叩き付けられたらどうなっていたのだろうか、と擦り傷と木の葉っぱだらけの全身を眺めてぞっとする。
それでも凄い痛いけどね。
「…………ちゃ、着地成功ぉ。いたたたた」
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