二譚 遊戯

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  「いたいけな少女を二人がかりで襲うつもり?」 「一応これでも平和のために動いてますので心配ご無用です」  レミリアが不敵な笑みを浮かべながら言うと、霊夢もまた涼しい顔で返す。言葉通りのやりとりなど意味を成していなかった。  自身で言ったとおり多勢に無勢の状況下でも、レミリアは焦る素振りすら見せない。  むしろ当然といった表情。  位置的には見下ろす形になっているはずの霊夢が、まるで見下ろされていると錯覚を抱くほどに。 「まあ、貴女たちには前に貰った借りもあるし、まとめて遊んであげる」 「おお? 前と同じように負けても泣くなよ?」 「こっちの台詞よ白黒。ついでだから貴女が負けたらパチェから盗っていった本を全部返しなさい」 「盗ったなんて人聞きの悪い。な、霊夢」 「残念なことに否定できないわ。まぁ、負けることなんてありえないけど」  スペルカードを掲げ、その力を解放する。先手必勝、問答無用! ──霊符 夢想封印  美しい無数の弾が群れ、紅き吸血鬼の元へと殺到していった。  
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