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それはどこかで見たような風景だと思ったら、まさに昨日のフィードバックだった。
僕の退路を悉く封じた、色彩鮮やかな無数の弾。
壮絶な威圧感と、込み上げる絶望と、顔面に張り付いた苦笑いが剥がれない。
ぱぱぱ、とまばたき三回。やっぱり状況は変わっておらず、これが現実だとちょっと理解。
弾幕ごっこ? 遊び? いやいや、これ果たし合いでしょう。
「……逃げよう」
弾が動き出さないうちに。
恐る恐る振り返る。しかしそこにもまた綺麗に弾の群れが整列しているではありませんか。
冷や汗たらり。誰か僕に逃げ場をください。
「あはは、避けないと死んじゃうよ?」
「善良な一般市民に向かって死ぬとか言わないでくださいよ!?」
「じゃ、どーん」
「だめえええええ!」
僕の雄叫びむなしく、パッと掲げられた少女の手に連動するように弾が動き始めてしまった。
このままだと、昨日の宗一郎の二の舞になるのは必至。体の構造上、おそらく事後の傷量は数倍になると想定されますが。それでもって、それはおそらく致死量。
末恐ろしすぎて泣けてきた。
そんなやりとりの間にも、目の前に弾。その数を数える行為すら無駄にしてそれすら致命的なタイムロス。
僕に残された選択肢は、コレを避けること。それだけだ。……どうやって?
「人間、どうしようもない時ってたまーにあるよねぇ……」
それで死ぬとか、なかなかブラックジョークすぎませんかね。
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