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どうやら魔のゲームは未だ終わっていなかったらしい。
死ぬ。絶対死ぬ。余裕で死ねる。
今気付いたが、仰向けの姿勢のまま全身に力が入らない。
まさかのオーバーワークに体が活動拒否しているらしい。いやいや冗談じゃないです。
「ふんふんふーん、どれにしようかなー」
まるで仰向けにされた亀のように藻掻く僕の横で、フランドールがとても楽しそうにその8枚の札をチョイスしている。
前略、お父様、お母様。必死に抵抗してみたのですが僕の人生はここで終了な模様です。
「うん、お兄ちゃんなかなか面白かったし、私が直接やっちゃおうかな」
抜き去る、一枚の紅い札。
紅い世界と妙にマッチしているそれは、まるで燃え盛るような紅蓮の色をしていた。
──禁忌 レーヴァテイン
「……それは何かな?」
「魔剣、レーヴァテインー!」
少女が手にしたのは獄炎。
剣と呼ぶに相応しい造形ではあるけど。肌をちりちりと焼くほどに超高温なのは分かったから少し落ち着いて欲しい。そんな風船か何かのように掲げられても対応に困るのです。
動けないから非情にタチが悪い。誰か今すぐ助けてください。
「あはは……まぁ、落ち着かない?」
「アハハハ、何を言っているの?」
「そう言いつつ接近してこないで……あ、ほらそろそろお母さんが迎えに……ちょ、まっ──」
時刻、未だ早朝。
まるで僕の命の如く、朝露が草の葉からこぼれ落ちた……。
師、曰く。其れ死亡フラグと言ふ物也。
「おわああああ!?」
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