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「なんであんたらがここにいるか知らないけど、ここが幻想郷じゃないことくらい知ってるでしょ!? だのにも関わらずあんなフツーの人間には有毒ガスでしかない紅い霧なんか出してるワケ!?」
「それに何、なんでフランまでいるのよ! もし暴れ出したら大変なんだからしっかり押さえ付けておきなさいよあぶなっかしい! まぁ暴れても私が前みたいにボコすけど」
「そもそもなんであんたらがここにいるのよ! こっちに来れる方法があるなら帰る方法もあるでしょ、洗いざらいさっさと吐きなさいこのなんちゃってカリスマ軍団!」
などと、息継ぎしながら怒鳴り散らした。
肩で息をする霊夢さんの眉間にはそりゃもう般若のようなシワがよっていて見るに堪えない。
これは極力、接触は避けるべきだろう。僕は動けないわけだし。
とか思いつつ視線を必死に逸らしていたら、その恐るべき矛先が僕に向けられてしまった。
擬音を付けるとしたら、『グワッ』と僕の方を向いて、
「叶ぇっ!」
「はいぃ!?」
「……なんでそんなボロボロなわけ」
……あ、最後は少し抑えた。
しかし僕がこうなった張本人を前にしてその原因を言うわけにもいかず、僕は「ちょっとはしゃぎすぎて」と言った。あながち嘘ではない。
僕がはぐらかしたことを悟っていたのか、少し釈然としない表情を浮かべた霊夢さんだったが、咲夜さんが立ち上がったことでその表情も潜めた。
「丸ごと説明するから落ち着きなさい単細胞」
単細胞、確かに的を得ているかもしれない。絶対に口にはしないけど。
霊夢さんは腕を組んで、どっかりとその場に胡座をかいて座り込んだ。
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