三譚 宗一郎という男

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  □  スカーレット組の来訪の翌日は週末だった。そんな一週間に一回の学生の休養日に、僕は徹底的にその責務を全うしていたのだが。なんと一歩も歩いていないのだ。歩けないといったほうが正しいんだけどね。  一日中、ひたすらベッドで横になっていた。病院に縛り付けられる気分っていうのはたぶんこんなかんじなんだろう。  そんな本日は日曜日。起きた時はまだ体を動かすのが億劫だったが、夕方になってようやく回復してきて歩く分には問題ないくらいになってきた。飛んだり跳ねたりは厳しいけど。明日からなら普通に学校に行けそうだ。  夜の帳が落ち、黄金色の月が雲間から顔を覗かせる頃。  僕は呆然としていた。 「……どゆこと?」  ベッドに座る僕の目の前には、白髪の少女と桃色の髪をした女の人が正座していた。  白髪パッツンの少女の背後には、幽霊にしか見えない白っぽい何か。俯くその姿は真面目そうな根を垣間見せていた。  その隣にいる桃色の髪の女性は、口元を扇子で隠していた。乱れた着物がなんとも扇情的である。  そんな奇抜な外見であるが、だからこそ分かってしまった。  この二人も幻想郷とやらからやってきたんだなぁ、と。 「完全に」 「参りましたぁ」  経緯など理解できるわけもなく、なぜにこの人たちは僕に降伏宣言しているのだろうか。  おそらく、二人の背後で勝ち誇った表情をしている霊夢さんと魔理沙さん、そしてなぜか宗一郎が関係していると思うのだけど。  この図はアレだ、獲物を持ち帰った狩人の凱旋だ。  また弾幕ごっこなる恐ろしい遊びをしたのだろう。  そこまでは予想できたが、なぜ宗一郎はそっちにいるんですか。あなたこっち側でしょう。  僕の知らないところで、一体何があったんですか。 side out □  
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