高貴なる者、その名は誇りにして傲慢

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 勇んで人間界にやって来たその魔王を待っていたのは、年端もいかない少女からの説教だった。 「誰を選ぼうと選ぶまいと、そんなの貴方にだって強要出来ないでしょう!」  まだ20にも満たない娘は、精一杯背伸びをして魔王を見上げる。 「…………」  今君臨する魔界でも、かつていた天界でも、彼に口答えしようとする者はいなかった。  ましてや――かつて『明けの明星』と謳われた、この傲慢の魔王・ルシファーに説教をする等とは。
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