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暑い。
人の熱気で体育館はサウナのようだ。
「ちょ…菊池、顔色悪いけど大丈夫?」
横に立っていた隣の組の河本君が驚いた顔をしている。
私は軽く微笑むとこくりと首を縦に振った。
今日は終業式。明日からは夏休みに入る。
いつもに増して、長い校長先生のお話に私はうんざりしていた。
最初の五分は我慢できた。
でも話し始めて八分、
あっやばい…。
私は目の前が白くなっていくのを感じた。
力尽きてしゃがむ。
「舞、大丈夫?」
後ろに立っていたあやちゃんが背中をさすってくれた。
保健室へ行こうと、よろよろと立ち上がり
ふらふらと体育館の出入口へ向かう。
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