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ふっと目が覚めた。
白い天井と仕切られたカーテンで、自分の居場所が分かった。
ここは保健室のベッドだ。
「先生、あの。」
おずおずとカーテンを開けて顔を出すと、養護教諭のふじこ先生がにこりと微笑んだ。
ふじこ先生は今年養護教諭になったばかり。可愛くてみんなの人気者だ。
「菊池さん、大丈夫?」
「はい。えっと…今は何時ですか?」
「あと三十分で下校時間だよ。」
私は慌てて時計を見た。
針は十二時を指していた。
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