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バイトが終わるとすぐに海にメールした。
自分の携帯に海からのメールか着信がないかと期待したけど、なかったからだ。
なにかあったのだろうか?
もし、事故なんかにあっていたら……
いや、そんなことある訳無い、そんな考えはダメだ。
ダメなはずなのに、俺の頭の中は不安だらけ……
メールなんかじゃダメなんだ!直接会いに行かなきゃ。
海が連絡無しに約束を破るはずが無いんだ。
俺は夜の街道を駆け出した。
冬の夜の寒さが容赦なく俺を襲う。
手が凍えそうになって痛い。
コートの袖でなんとか凌ぐことにしたけど、それでも手は冷たい。
風を切る。足が疲れてきて、息も切れてきた。
それでも俺は走るのを止めなかった。
この胸騒ぎがどうにかなるならいい。
なんにもなかったって言う海の笑顔が見たい。
ただそれだけだった。
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