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何分走ったんだろう。
身体は多少暖まったけど、手先などの末端が冷たい。
とにかく、海の家にたどり着いた。
家の横にある道場は相変わらず威圧感がある。
ここまで来たのは良いけど、どうしよう……
今は夜遅い、確実に迷惑をかけてしまうだろう。
海もヘタしたら寝てるかもしれない。
くっ、インターホンが押せない……!
さっきのメールは返って来てないし、一体どうしたらいいんだ?
電話……電話ならもしかしたら大丈夫なんじゃないか?
俺の手には既に携帯が握り絞められていて、かじかんだ手で海の番号を押す。
頼む、出てくれ……!
寒空の中、延々と続くコール音を聞いた俺はとうとう諦めて帰ってしまった。
一日会ってないだけで、一日声を聞かないだけで胸が苦しい。
明日また連絡しよう。
そう……しよう。
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