恋の試練

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『コウ……今日はごめんね?』 謝罪の言葉から始まった海の留守電、声は少し暗い。 俺はそれを全神経を耳に集中させて聞いた。 こんな形で海の声を聞く事になったのは少し残念だけど、いいだろう。 そして、一呼吸の間を空けて海の言葉が続く。 『メールも電話も本当にごめんなさい、携帯が使えない状態だったから……。だからこんな時間になっちゃった』 海の声は最初より若干ではあるが、明るくなっていた。 それより、携帯が使えない状態って一体なんなんだ? 俺はその後の言葉をしっかりと聞く事にした。 『コウは私のこと好き?私は大好きだよ?もし、本当に好きなら明日のバッティングセンターはごめんなさい、行けない事を許して……。お願いだから私を……』 ツーツーツー…… そこで海の声は途切れた。
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