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鼓膜が割れるかと思う程の大音量で、
媚びるような甘ったるいメロディ、
死に向かうかのような弱々しいビート、
甲高い声で泣きわめくギター、
昏く陰鬱なベース、
考え無しに暴れるドラム、
そして……
「飽きた」
俺はヘッドホンを投げ捨て、コンポの電源コードをコンセントから引き抜いた。
ヘッドホンから何かが千切れるような音がして、部屋に静寂が戻る。
最近、俺はずっとこんな事ばかりしている。
話題のアーティストのCDを買ってきては、全部聞き終わる前に飽きてしまい、売るなり捨てるなりしてしまう。
俺は一人、溜息をついた。
「どいつもこいつも…くだらねぇな」
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