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幸福だった
あの頃が、
今のあたしには
羨ましい。
君は知ってましたか?
あたしは
君の魔法にかかっていた事を。
君にわがままを言いました。
君を抱きしめました。
君とお酒を飲みました。
君を突き飛ばした日も
君とお散歩した日も
君とお茶した日も
君が泣いた日も
あたしが泣いた日も
あたしはいちいち
幸福だった。
君がいたからだよ。
君がいたから…
あたしは
幸福だった。
あの頃は
君の声も
君の顔も
君が放つ空気を
すぐ傍に感じて
あたしは
笑ったり
泣いたり
怒ったり
すねてみたり
君には沢山の顔を見られた。
あたしも君の沢山の顔を
見れました。
あたしには
かけがえのない毎日が
幸福だったんです。
気付いてましたか?
ヤキモチやいていたあたしを。
気付いてましたか?
料理全くしないんだ、
と言いながらも
夜な夜な練習しては
悠チャンに食わせて
いつか君に…なんて思っていたあたしを。
気付いてましたか?
あたしの
君への思いを………。
こんなに離れてしまうなんて
誰が想像できたでしょうか。
あの頃を
幸福なあたしを
羨ましく思うなんて…。
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