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俺は正直降りたくてしかたがないこの計画のメインにされたことに嘆息をしつつ、千鶴さんの頼まれごとに面と向かってNoと言えない自分を嘆いた。
詩織たちが入ってからしばらく経つ。
女子の風呂が長いのは詩織や亜沙姉たちで実証済みではあるが、やはり長いこと長いこと。
なかなかに有効な時間つぶしも見当たらず、誰か居ないものかとリビングに降りてみたが皆それぞれの部屋にいるらしく、俺はとりあえず紅茶を淹れ、料理雑誌を徐に広げた。
「…暇だ」
わざわざ口に出てしまうほどだった。
そもそも普段は部屋に籠もる俺なのだが、普段入る時間に今二人が入っていることをすっかり忘れていた。
丁度いつも興味のない番組のある時間帯に風呂に入っていたため、観るものもあまりない。
ふと、視界にリモコンが目に入ったのでそのままテレビを付けてみた。
テレビでは、なんの因果がわからないが、歌手の人とバラエティー系の司会者が出る番組がやっていた。
その番組には結綺乃がでていたのだ。
恐らく録画したものだろう。
つい先ほど知り合った彼女は我が家の28インチテレビの画面の向こうにいた。
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