誕プレは許嫁!?

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「今日はいろいろあったな…」 部屋に戻ると俺はすぐさまベッドにダイブした。 今日はいろいろあった。 確かにそうだ。 俺自身、思った以上にこの状況に馴れつつあるのは、結綺乃が誘拐されてここにいるとは思えないほどにこの環境に馴れつつあるからだ。 あまりにも早すぎる、が考えてみれば向こうはアイドルだ。 俺らより遥かに厳しい環境で生きてきた結綺乃からしたらこの程度はどうってことないのかもしれないな。 「ま、いいか」 考えたところで仕方がないだろう。 とにかく今は俺自身のことを考えよう。 いくら結綺乃が馴れてきたとしても俺が駄目じゃ意味がない。 正直かなり面倒なんだが、それでも千鶴さんの頼みだ。 やはり断りにくい。 「とりあえず寝るか」 とりあえず今は寝よう。 今は明日の朝食のことを考えよう。 自分自身に、これは千鶴さんに頼まれたことだ、しょうがないと何度も言い聞かせ、重くなる瞼に従い目を閉じた。
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