蒼陽町を案内しよう

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「あ、お帰りなさい」 家に戻ると詩織が俺の作った朝食を並べていた。 ちなみに今日のは和食で固めた。 特に塩鮭は自信作だ。 しかし、エプロンをして料理を並べている詩織の姿を見ておそらく勘違いしたんだろう。 結綺乃は詩織が作ったものだと思ったらしい。 「これ全部詩織が作ったの? 凄いじゃない」 「ブッブー。残念はずれです。正解はお兄ちゃんが作ったんですよ」 勝手に騙されただけだが、詩織はどうにもそれが面白かったらしい。 クスクスと忍び笑いをしながら答えた。 「じゃあ…これ全部涼が作ったの?」 「ああ。悪かったな、詩織じゃなくて。食いたくなかったら食わなくていいからな」 「お兄ちゃん、ヒドいこと言わないの」 まぁさすがに驚かれるとは思っていたが、この驚かれ方は気に入らなかったので、ついつい憎まれ口を叩いてしまった。 今は詩織の注意もあまり頭には入らなかった。 「ま…まあ折角作ってくれたんだもの食べるわ」 といっていち早く椅子に腰を下ろした。 それに続いて俺と詩織も席に着く。
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