蒼陽町を案内しよう

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「へへー驚いたでしょ? 結綺乃さん、芸能活動中と家にいるとき以外とかはこうやってカツラを被ってカラコン入れてるらしいんですよ」 と、自慢気に詩織が言ってくる。 まあ芸能人が街に出るんだからそれなりのことはすると踏んでいたがもはやこれは変装というよりも変身に近い。 しかもアイドルがこんなところにいるはずがないという先入観も邪魔して畑から見れば誰も彼女がアイドルのセンナとは気付かないだろう。 「さぁ仮にもアイドルの私服姿よ。なにか感想とかあるでしょ?」 と挑発気味に言ってくるので、俺はからかう目的に発言した。 「馬子にも衣装だな」 「フン!」 「ぐおっ…!」 俺が悪い笑みを浮かべながらそう言うと足を思いっきり踏まれた。 痛い。 「さ、さぁお兄ちゃん、結綺乃さん行きますよ」 2人のやりとりに若干危険を感じながらも詩織を止めに入り出発を促した。
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