蒼陽町を案内しよう

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「とは言ってもどこを案内するんだ?」 ここ蒼陽町は厚木垣市の内部にあり、巨大なテーマパークなど家族、カップルや友人など誰と来ても楽しめる施設が多数点在してる。 …って俺は誰に説明してるんだ。 「今の状況から最善の脱出方法へ案内してもらいたいわ」 「なんならタクシーでも呼ぶか?」 脱出を止めるどころかそれに協力しようと行動に出た。 「ってそんなことするわけ…」 「へいタクシー」 「はぁっ!?」 俺は丁度前を通ったタクシーを止めた。 「1人乗せていってくれ。金は……」 「ち、ちょっと待ちなさいよ!」 俺の肩を強引に掴んでくる。 俺は気だるさを覚えながら振り返った。 「なんだよ?」 「君誘拐犯の仲間でしょ? 勝手に逃がしていいわけっ?」 「俺は千鶴さんの家族だ。身内の犯罪行為は早々に揉み消さないとな」 この行動が千鶴さんを裏切る行為になるのはわかってる。 だが、他人の意思を無視して誘拐したのにどんなに理由があっても許せないものに変わりはない。 また時期を見計らってきちんと話せばいい。 しかし俺が開けた座席への扉は被害者本人に閉じられた。
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