蒼陽町を案内しよう

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「やれやれ」 女性用の洋服店に入るのも気が引けるので俺は店の前に設置してあるベンチに腰を降ろす。 見上げると空は見事な快晴。 うん、平和だな。 「あれぇ~涼君じゃん。1人で何してんの?」 「あ…おはよう」 「げ…椎名に山吹…」 はい俺の平和終了。 一応紹介しておこう。 この馴れ馴れしい感じに話しかけてくるやつが椎名美郷(シイナミサト)。 そしてその椎名の半歩後ろに立つ控えめな子が山吹沙耶(ヤマブキサヤ)。 どちらもいわゆる俺のクラスメイトってやつだ。 「やー今日は沙耶と一緒にデートしてるのさー」 「デ…デートじゃないよ。お買い物に来てるの」 見ての通り正反対の性格なのだがどうにも馬が合うらしくこうして仲良くやっている。 「そんで涼君は何してんのかな?」 「妹待ちだよ。今そこの洋服店に入ってる」 といって先ほど2人の入った店を指す。 するとなぜか胸に手をあてて安堵する山吹。 なんなんだろうか?
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