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しかし問題はここからだ。
そのおばあさんに彼女を頼まれたときに一つ条件が出されたらしい。
その条件というのが、自分が母親だという正体を伏せてしばらく彼女と暮らすこと。
やはり産まれてすぐに引き離された母親がいきなり現れてはいろいろ面倒だろうというのが彼女のおばあさんの意見として最も主張されていたらしい。
けれど自分は彼女と暮らせるほど元気ではない。
おばあさんのみの意志を尊重すればすぐにでも千鶴さんに名乗り出てほしかったらしいが、やはり彼女のことを考えるとそうもいかないようだ。
そこで千鶴さんが考えたのが誘拐。
議員であり表にも裏にも影響力のある千鶴さんは持ち前の権を活用することを考えた。
黒服の方々に全面協力を仰ぎ、見事正体を伏せ彼女の誘拐に成功した。
しかしこれではただの犯罪者になるためある嘘情報を彼女に伝えることにした。
少々無理矢理なところもあるらしいが、そのあたりはおばあさんがフォローしてくれるらしい。
その嘘とは。
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