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すると天井から巨大なモニターが現れ、画面には年老いた優しそうな女性が映っている。
話の流れからしてあの人が彼女のおばあさんのようだ。
というか、そんなモニターいつの間に設置したんだ。
これも初めて見る。
「おばあちゃんっ!?」
「おお、元気かいなっ」
彼女の声に反応している。
どうやら互いにリアルタイムで通信しあっているようだ。
「お前ももう16、ばあちゃんお前には幸せになってほしいからねぇ、千鶴さんに頼んでお前を誘拐してもらったんじゃ」
「なんで誘拐なのよ!」
「そうでもせんと言うこと聞かんじゃろ。許婚の話は本当じゃ。どうか凉君と幸せになるんじゃよ」
「ちょっと、おばあちゃん!? 嘘でしょ!?」
そこで通信は途絶えた。
とりあえず、任されても困るんだが。
「わかってもらえたかな?」
「卑怯者! とことん犯罪者ね! おばあちゃんを人質にするなんて。おばあちゃんを助けたらどうなるか覚えておきなさい!」
彼女の言い分を聞く限り、おばあさんのことをかなり慕っているようだ。
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