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「わかったわ。おばあちゃんを人質にされたんだもの。条件を飲もうじゃないっ」
素直とはいかないが、どうやら半場やけくそじみているが現状では従うことにしたらしい。
「わかってもらえて光栄だよ」
「それで? 私の許婚ってのはどいつよ」
と、あたりをキョロキョロ見回す。
いろいろ有りすぎたせいか、どうやら目覚めてから近くにいた俺の存在に気がついてなかったようだ。
「彼だよ」
といって千鶴さんが俺を指差す。
彼女は俺のほうを振り返る。
「ふ~ん…」
まるで興味ないような目つきでこちらを見てくる。
心配すんな。
俺もアンタには興味ない。
と無言の睨み合いが始まりかけて、千鶴さんが止める。
「立ち話もなんだし、夕飯を食べながら自己紹介でもしようじゃないか」
「そうね。いろいろありすぎてお腹が空いたわ」
俺たちはすでに用意されている食卓に向かった。
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