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「ではまずは私から。浅葉千鶴だよ。この家の家長に属するかな。非公認だけど議員をやってるよ」
夕飯の並んだ食卓を囲みながらの自己紹介が始まった。
ちなみに千鶴さんの非公認というのはテレビなどの公の場に現れたことが一切ないからだ。
しかしその分裏のほうにかなり顔が利くらしい。
「誘拐犯ね。で、次は?」
「酷い言いようだね」
「当然じゃない」
確かに。
こればっかりは千鶴さんの部が悪い。
「錦織亜沙、大学2年よ。千鶴さんは私の叔母さんなの。家事全般は私がやってるわ」
亜沙姉は俺が引き取られた時にはすでに千鶴さんと2人で住んでいた。
年的にお姉さんなのだが、行動などを見ていくとどうもお母さんを感じてしまう人だ。
「式蓉詩織です。お兄ちゃんとは血のつながっていない兄妹です」
詩織は幼い頃から一緒に暮らしている。
血はつながっていないらしいが、小さい頃から一緒なので気にはならない。
詩織自身も俺を兄として慕っているので問題はないだろう。
と、俺以外の3人が自己紹介を終えていた。
多少の面倒くささを感じながらも俺は自分の自己紹介をした。
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