第1話:奴、見掛け倒し?

11/12

168人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
「あの……川端さんって…」 「ん~?あ、ボク!?ボクに興味持ってくれた?」  晶が尋ねると、キラキラした目で見つめてきた。  それに「眩しいっ!!」と言わんばかりのポーズで返す晶。こんなに綺麗な顔が近付いて来たら心臓が保たない。  バクバクする心臓を押さえながら、さっきの続きを口にした。 「何でそんなに強いんですか?」 「竜史は空手の師範代なんだよ」 「―――――………え!?」 「そうなんでーす。師範代なの。でもちっさい道場でやってただけだから、そんなに強くないよ?」 「道場の大きさ関係ないだろ?」  師範代?って師範の前って事!?すっごく強いよね!?  こんな外見で中身はあんなで師範代。益々川端の事が分からなくなる晶は、頭を抱え込んだ。 「イヤだ。しょーちゃん。そんなに悩まないで~」 「キモいぞ」 「え?可愛いデショ?」  片目を閉じて生方に投げキスをする川端。可愛いが男にやられると鳥肌が立つ。  生方はゾワッとした腕を押さえて「やめろ!!」と怒鳴った。
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加