第2話:奴、大人のような子ども!?

3/17

168人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
 その様子に気付いたのか、倉本は「暇ならちょっと付き合ってよ」と言った。  何もやる事のなかった晶は当然「行く!!」と言って倉本について行った。連れて行かれる先がどんな所かも知らずに……… ―――――――――――――  暫く晶に休みを取って貰ったカフェ「APRICOT」は相変わらず空いていた。いつもの客以外は居ないに等しい。  しかし、今日は川端が来ておらず窓側の定位置は寂しげに日を浴びていた。 「今日はあの兄ちゃん来てないの?」 「ええ。気まぐれなんで、来る期間にムラがあるんですよ」 「残念だねぇ。あの顔はいい客引きになるのに」  川端同様、かなり長い期間通っている老人からそう言われた。  確かに見た目は良い。生方と川端が並んでいる姿は目の保養になると言っても良い位だ。  しかし、顔で客引きしても意味がない。生方は自分がブレンドしたコーヒーを気に入ってリピーターになってくれる人が欲しいのだ。  
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加