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さほど大きくない町の小さなカフェ。そこには常連客が居た。それも、とびきり若くイケメンな人。
―――――――……カラン。
「いらっしゃいませ」
「やあ」
今日も変わらない格好で来た常連客。
スーツの上着を脱いだだけのかっちりした姿で、不思議な雰囲気を纏っているその人は、いつものお気に入りのコーヒーとアップルパイを頼んで定位置に着いた。
――――――――――――――
コーヒーとスイーツを食べる姿が嫌味な程絵になる常連客・川端 竜史(ｶﾜﾊﾞﾀ ﾘｭｳｼﾞ)。
毎日来るわけではないが、たまにフラッと来ては定位置でコーヒーを飲みながら長居する。
「久しぶりだな。竜史」
「ウブ!!そうだな………３カ月ぶり？」
「かな。前回来たのが３月位だから……。大分忙しかったみたいだなぁ」
このカフェ・『APRICOT』の店長・生方 杏子(ｳﾌﾞｶﾀ ｱﾝｽﾞ)は川端と同じ製菓学校を卒業した仲だ。
生方のが川端よりも４つ年上の２６歳。手先が器用で、お菓子作りや小物を作るのが得意な長身ワイルドな男。
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