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コーヒーを出さない生方に向かって「ウブのいじわる!!」と吐き捨て、泣き真似をしながら晶の元へと走っていった。
「あ!!こら!!晶に近付くな!!
それと、店内は走るな!!」
「ウブが悪いんだろ~!!コーヒー出してくれないから、しょーちゃんに助けを求める!!」
「お前、自分が失神させた人間によく物を頼めるな」
「しょーちゃんに対する愛が大きかっただけですぅ!!」
可愛く言うもののそれは生方に通じず、晶に近付く手前であえなくいつもの定位置に引きずり戻された。
初めて川端のくずりを見た倉本は、今までに開いた事ない位の目の大きさで驚いていた。
「ギャップがすごい」
「お騒がせしました。いつもああだから気にしないで」
「だから最近晶が疲れてんのかな……」
「……………え?」
「いや、コイツ人見知り激しいくせに接客業選んだから、いつかは音を上げると思ってたんですよ。
でもあんまり弱音吐かないし、楽しいんだろうなって思ってたら最近疲れた顔してたから……」
愛おしそうな目で晶を見つめる倉本に「そうだったんだ」とそれだけ静かに返した。
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