第2話:奴、大人のような子ども!?

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 晶にはっきりと言われた倉本は、川端の本心が分かった事と晶に伝わらなかった事のダブルでショックを受けた。  うなだれる倉本を視界の隅に入れつつも、シカトして川端の方へと視線を向ける。すると、川端も晶の方を向いていた。 「……………」 「……………」 「お互い喋らないで見つめてるだけじゃ何も伝わらないよ?」  その様子に気付いた生方が溜め息をつきながら言った。すると、晶が指輪をはめられた手を前に突き出して 「指輪、ありがとうございました」  とだけ言って微笑んだ。  本当は貰うつもりなんてなかったし、貰う理由もなかった。けど、川端の思っている事が何となくだけど分かった晶は「ありがとうございます」と伝えた。  その晶の笑顔を見た川端は少し驚いた表情をしてから「うん。ありがと」と返し、満面の笑みで定位置から晶の元へと駆けつけた。  何故?と疑問に思う事は沢山残ったけど、今は川端さんを少しずつ知れる喜びのが強い。  と思う晶だった。  
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