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勢い良く入って来たのは常連客・川端。梨子の苦手とする男だ。
それに気付いている川端は、わざと梨子にちょっかいを出す。
「げっ!!って何さ~?ボク、一応お客様だよ?もっと扱い良くして貰わないと」
「だぁあ!!近寄んな!!」
「ええ~ヒドいわ~!!あたしのドコが気に入らないの!?こんなに好きなのに~」
「そう言う所だよ!!!!」
お姉言葉で近付く川端を威嚇のポーズで迎える梨子。
2人の動物的なやり取りを見ていた杏子は、笑いを堪えるのに必死だった。
「ま、いいや。ナシコちゃんと遊びに来たわけじゃないし。
ウブ!!コーヒー頂戴!!」
「ナシコじゃねぇつってんだろ!!!! リンゴだ!! いい加減覚えろ!!」
「ヤだわ~。そんなに大きな声出さなくても、後でちゃんと遊んであげるわよ」
「てめぇは……!!ちゃんと話しを聞けーーー!!」
終始お姉言葉な川端にイライラしている梨子は、今にも川端を殴りそうだった。
しかし、こんなのでも兄貴の友達。兼、常連客。失うのはイタい。
そう思い、振り上げた拳をかなり時間をかけながら静かに下ろした。
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