第3話:奴の意外な一面!?

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 その反面、自分が先程川端に言った暴言を撤回したかった。  それに気付いてなのか、杏子が 「竜史の言う通りだよ。今彼女らを責めても仕方ない。 こう言っては語弊があるかもしれないけど、俺はこの店丸ごと好きになってくれる客が欲しいんだ。だから、1つでも気に入らない所があるんだったら来なくていい。 ………って言える位客入ってないし、金銭的にカツカツだけどな」  と杏子が笑いながら言った。すると、梨子は杏子の顔を見て「俺だってそうだよ」と照れながら返した。  お互い、この店が大切だからこの様な事が起きる。そして、どれだけ大切に思っているのか確認出来る。  2人にとってこのやり取りはそういった意味も持ち合わせていた。 「さて、気を取り直して……アップルパイ、焼いてくるよ」 「おお!!やったあー!!このアップルパイは1日1回は食べたいよね」 「言い過ぎだぞ。梨子、ほら準備手伝ってくれ」 「そーだよ。ナシコちゃんが手伝ってくれたら早く食べれるんだから~」  笑いながら言う大人2人に梨子は少し綻ぶ顔を俯き隠しながら「分かったよ!!」と言って杏子の後に続いて行った。
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