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杏子の褒め言葉に赤くなり「言い過ぎですよ」と謙遜する晶。
晶のストラップが売れるのは単に上手いからではない。誰でも手が出せる安価な物が多く、かつ壊れにくい事が1番の理由だ。
「晶を雇って大正解だったよ」
「店長…それ以上褒めると顔の火照りが取れません……」
「本当の事だからな。言い過ぎじゃないし照れる事もないだろ」
普通に褒めているだけと思っている所が天然キザだと思っている晶は、杏子の言葉に「ありがとうございます」と小さく言ってから俯いて顔の火照りを落ち着かせようとした。
すると、奥からガタガタと音を立てながら梨子が出て来た。
「兄貴ーー!!これ汚れ落ちねぇよ!!」
「あ、梨子君。久しぶり」
「晶じゃん!!!!何だ、今日来てたのかよ」
「ストラップ頼んでたんだ。
どれがキレイにならないんだ?」
騒いで出て来た梨子は、少し汚れたボールと泡立て器を杏子に渡し、晶の方に向かった。
晶にメールを送ってから、川端の事を調べようとしていた梨子だったが、それには晶の協力が必要だったので、会いたいと思っていた。
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