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晶の手をがっちり掴んで離さないポーズをする川端。それを見ながら睨む生方は長身でゴツイせいか鬼のようだった。
それでも怯む事なくそのままの体勢で居る川端は戸惑う晶の顔を見つめながら「ウブのせいでしょーちゃんが怖がってるじゃん」と頬を膨らませて言った。
この男、20歳過ぎているのに可愛い仕草をするなんて………。と言うか、見た目とのギャップがありすぎる。
頬を膨らませる川端の顔を唖然とした表情で見つめた晶は、密かにそう思っていた。
見た目は如何にも仕事が出来るイケメンなのに、中身は謎だらけのお子様だ。
可愛いと言えば聞こえは良い。それに、実際に可愛い仕草が似合わないワケではない。
しかし、可愛いと言って良いのか迷う外見をしているので川端には言えない言葉だ。
「全く、お前はいつまで経っても変わらないな」
「ありがとう。ウブも怖い顔は相変わらず」
「ウルサい!!仕方ないだろ!!これは生まれつきだ」
「生まれつきヤクザなのね!!
イヤだわ。あたしその道の人と親友だなんて!!」
「ふざけるのもいい加減にしろ」
お姉言葉と仕草でからかう川端に、生方は軽くど突いた。
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