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「だから、ここで晶がお色気作戦で!!」
「色気ない人間に色気出せって言っても無理だよ」
「大丈夫だ!!お前ならちょっと寄せれば谷間くらい出来るだろ!?」
谷間くらいって…大変なんだぞ?
胸がない方ではないが、ある方でもない標準な晶は生まれてこの方、1度も谷間なんて作った事がなかった。
それを素直に言うと、梨子は「じゃあ言う通りのポーズしてみろ」と言って晶の腕を掴み、前かがみにさせた。
「そこでグッと力入れて押し上げる!!」
「押し上げる?」
「腕伸ばしたまま力こぶ作るみたいにして!!」
「力こぶ?うーん…寄らないね」
「寄ってる!!ちょっとは寄ってるから頑張れ!!」
どうしてそこまで必死なのか疑問に思うも、とりあえず梨子の気がすむまで付き合ってあげようと決めた晶。
普段しないポーズを取ったせいか、腰と腕が痛くなった。
「先生ー。もう無理です。」
「もう少しだ!!夢の谷間までもう少しだぞ!!晶!!」
「夢じゃないんだけどな……」
仕方なくもう1度グッと力を入れた瞬間、同じタイミングで梨子の頭に拳骨が落ちた。
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