第4話:奴、正体掴めず!?

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 拳骨を落とした犯人は杏子。物凄い剣幕で梨子を睨んでいる。  普段怒らない杏子が怒ると怖い事を知っている梨子は、あわあわとして晶の後ろに隠れた。 「兄貴…これには深い理由が…」 「お前は…人に仕事押し付けて何やってんだーーー!!!!」 「ぎゃーー!!ごめんなさい!!」 「晶にそんな格好させて!!どこぞのアホと同じ様な事してんな!!」 「わーーー!!分かった!!だから拳骨はやめて下さい!!!!」  杏子の元から怖い顔が更に怖く歪み、般若みたいな表情になっていた。  それを間近で見た晶は「絶対に怒らせないでおこう」と密かに誓った。  ひとしきり怒られると、梨子は杏子に引きずられてバックヤードへと連行されて行った。  まるで拷問でも始まるかのような雰囲気だ。  晶は苦笑いを浮かべながら梨子の無事を祈り、さっき出されたコーヒーを口に運んでそれが終わるのを待った。 ――――――――――― 「怖ぇえ!!」 「ん!?あ、梨子君!!大丈夫だった?」  バックヤードから飛び出してからの第一声がこれだ。晶は驚いて梨子を見ると、少し頬が赤かいのが分かった。
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