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拳骨を落とした犯人は杏子。物凄い剣幕で梨子を睨んでいる。
普段怒らない杏子が怒ると怖い事を知っている梨子は、あわあわとして晶の後ろに隠れた。
「兄貴…これには深い理由が…」
「お前は…人に仕事押し付けて何やってんだーーー!!!!」
「ぎゃーー!!ごめんなさい!!」
「晶にそんな格好させて!!どこぞのアホと同じ様な事してんな!!」
「わーーー!!分かった!!だから拳骨はやめて下さい!!!!」
杏子の元から怖い顔が更に怖く歪み、般若みたいな表情になっていた。
それを間近で見た晶は「絶対に怒らせないでおこう」と密かに誓った。
ひとしきり怒られると、梨子は杏子に引きずられてバックヤードへと連行されて行った。
まるで拷問でも始まるかのような雰囲気だ。
晶は苦笑いを浮かべながら梨子の無事を祈り、さっき出されたコーヒーを口に運んでそれが終わるのを待った。
―――――――――――
「怖ぇえ!!」
「ん!?あ、梨子君!!大丈夫だった?」
バックヤードから飛び出してからの第一声がこれだ。晶は驚いて梨子を見ると、少し頬が赤かいのが分かった。
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