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「しゃーない。兄貴に聞いてきてくれ!!」
「えっと…あたしが?」
言い切った梨子のスッキリ顔は晶の方を向き、お願いの視線を注いだ。
川端に負けない位のおねだりに、晶は仕方なく「分かった」と言ってバックヤードに居る杏子の元へと向かった。
「頼んだぞー!!」
「はいはい…」
梨子の調子の良さに呆れながらも、何かしら川端の事が分かればと思いドアを開けた。
すると、中にはエプロンを脱いで私服に着替えている杏子が居た。
ワイシャツを脱いでいた杏子の姿に驚いた晶は一瞬固まってから「ごめんなさい」と言って、勢い良くドアを閉めた。
開けて閉めただけの晶。それを疑問に思った梨子は
「どーした?兄貴に聞いてきてくれんだろ?」
「今…着替えてるから」
「何!?兄貴着替えてんの!?
やべえ!!兄貴の裸見ちゃったじゃん!!」
「いや、事故だからね」
きゃー!!っと言って手を口に当てる梨子を冷たい目でみる晶。
川端を嫌う割には、川端にそっくりな梨子を見ながら「同族嫌悪か?」と冷静に分析していた。
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