第4話:奴、正体掴めず!?

10/20
前へ
/134ページ
次へ
 暫くして、着替え終わった杏子がバックヤードから出て来た。  少し気まずい晶は顔を赤くしながら「すみませんでした」と謝った。  すると、申し訳なさそうな晶の顔を見た杏子は、少し顔をしかめてから気まずそうに質問をしてきた。 「いや、あれってセクハラにならないよな?」 「ならないですよ!!むしろ、あたしがセクハラした感じです!!」 「若しくは露出狂的な……?」 「……それをノゾキ的な?」 「何が言いたいんだよ!?」  いつまでもお互いが悪いと言う2人に、梨子が的確なツッコミをした。  それにより、2人は「そうだな」と言って、つい噴き出してしまった。 「あ、それより、何か取りに来たのか?」 「え?」 「バックヤード。入って来ただろ?」 「あ、あー…はい」 「何だその微妙な反応は!?」  びくっとしてから答えた晶に笑いながら質問する杏子。  まさか、川端の事を聞くためだけに裸を見られたと知ったら怒るだろうか?  さっき梨子が怒られていた時の杏子の表情を思い浮かべると、素直に言えなくなってしまった。
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加