第4話:奴、正体掴めず!?

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 それに気付いたのか、杏子は「怒らないよ?」と優しい笑顔で言って晶の言葉を待った。  しかし、今の言葉は逆に怖い。元が怖い顔で、清々しい笑みを浮かべられると「言わないと怒るよ?」の脅しに聞こえてしまう。  晶はヘビに睨まれたカエルのように怯えながら「いや…あの」と、もごもご話した。  すると、その声を拾おうとして近付いてくる杏子。はっきり言ってピンチな気がした晶は、心拍数バクバクのド緊張だった。 「どうした?」 「あ、いや…あの…」 「ああもう!!兄貴の顔が怖いからはっきり言えないんだよ!!今の自分の笑顔見てみろ!!」  たまらず声を上げた梨子だったが、あまりに失礼だったため杏子に睨まれた。  申し訳ないが、矛先が変わった分、少し楽になった晶は少し息を吐いて心拍数を抑えてから「聞きたい事があるんです」と杏子に問い掛けられた。  何だか怯えている晶の質問に対して、杏子は「いいぞ?」と返し、捕まえていた梨子の腕を離した。 「何でも、答えられる範囲ならいいぞ」 「あの……」 「うん?」  なかなか言えない晶に、待つ体勢の杏子。  何か遠慮しているのがすぐに分かるので、質問を急いだりしなかった。
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