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静かに怒る杏子に対して、物凄く怯えながら晶の後ろに隠れる梨子。
怖い顔(素)の杏子が近付いてくるが、晶は割と冷静にその様子を見れた。
「晶の後ろに隠れるな!!」
「梨子君……ちょっと痛い。肩強く握りすぎデス」
「バカ!!お前そんな事言ったら兄貴がまた怒るだろ!!我慢しろ!!」
そんな無茶苦茶な……。
我慢しろと言われても、我慢出来ない程強く握ってるんですよ。だから……
「ーーー……無理」
「晶がこう言ってんだ!!とにかくもう止めなさい!!」
「ギャーー!!晶のバカー!!」
最後に捨て台詞を吐いて、先程と同様にバックヤードに連れて行かれた梨子。
晶は、これから起こるであろう事は考えないようにして、疲れた頭を癒やすために冷めたコーヒーを口に運んだ。
「ふう……」
「溜め息?」
「……え!?」
誰も居ない店内のはず。それなのに誰かの声がした。
晶は急いで後ろを振り返ってみると、そこにはいつもと違う服装の川端が立っていた。
「川端さん!?」
「そーですよ。なかなか気付いてくれないから寂しかった~」
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