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2人の会話を聞いていて、川端と言う人物が益々分からなくなった晶は少し目眩がしていた。
それに気付かない川端は、クラクラしている晶を激しく揺さぶり
「ほら、しょーちゃんもウブの顔が怖いから目を回してるよ。
だから休養が必要です!!」
「勝手な事言うな。………晶?大丈夫か?」
「………………………」
大人が子ども?川端さんは大人?
ワケの分からない言葉が巡った晶の頭はもう爆発寸前だった。
揺さぶられて放心状態の晶を心配した生方は、晶の両肩を掴み揺さぶりを止めて「大丈夫か!?」と聞いた。
「……………大丈夫です」
「顔が青いぞ?」
「三半規管弱くて……」
「じゃあ遊園地でコーヒーカップ乗れないね」
「そんな事言ってる場合か!!
とりあえず後ろで休んでろ」
「………すみません」
考えすぎて気持ち悪くなったのと、揺さぶられて気持ち悪くなったのが重なって重症化した。
生方の言葉に対して素直に応じた川端は、がっちり掴んでいた晶の手を離した。
それによって動けるようになった晶はフラフラとした足取りでバックヤードへと入って行った。
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