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「2人だけのひ・み・つ」
と言って晶の頬と自分の頬をくっつけた。
杏子は呆れて、溜め息を吐いてから「まだ仕置きが足りなかったか?」と言って梨子を掴み上げた。
「え!?ちょっと…兄貴!!」
「お前は当分晶にくっつくの禁止だ!!」
「ええ!!何でだよ!?」
理由が分からないまま、また怒られる梨子。3度目とあれば、もう諦めがつくだろう。
杏子の説教を食らいシュンとしている梨子と、我関せずの表情を浮かべる川端に挟まれて気まずい晶。
何かをしていないと落ち着かなかったので、コーヒーを淹れようと思い、立ち上がろうとした…その瞬間、川端に腕を掴まれた。
「……コーヒーですか?」
「違うよ。さっきの…梨子と秘密にしてるのって何?」
「え!?それは……」
いつもナシコちゃんと言っているのに、突然梨子と正しく言ったので、真剣に聞いているんだと分かった。
しかし、まさか本人に「アナタの弱味を探してます」なんて言えない。
困った晶は「あーー…」と良い言い訳を考えてみたが、全く思い付かず
「……秘密です」
としか言えなかった。
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