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晶の言葉を聞いた川端は溜め息を吐き「そっか」と悲しげに呟くと、「じゃあ…」と言って不敵な笑みを浮かべた。
その表情にゾクッとした晶は「ヤバい!?」と思い、何か適当な言い訳を再度考え始めた。
が、しかし。時すでに遅し。川端は晶の腕を引き、耳元に唇を寄せてから
「僕と間接キスしたのも2人だけの秘密ね」
と囁いた。
その声に晶の心拍数は上昇し、顔も有り得ない位赤く火照った。
「しょーちゃん。約束…ね?」
少し距離を開いてから、真っ直ぐ目を見て言われた。
今の言葉も、ただ梨子に対抗して言っているだけなのか本気なのか全く分からない…。
川端の言葉に翻弄され、頭が真っ白になった晶は、ただ頷く事しか出来なかった。
その様子を見て満足したのか、いつもの笑みに戻ってから「ウブ!!コーヒーまだ!?」と可愛く言った。
そして「ちょっと待ってろ!!」と杏子に怒られると、べそをかいて「しょーちゃーん!!」と甘えてくる。
一体、ドコまでが本気で嘘か全く分からない。
本当があるのかないのか…
知ろうとしても、理解なんて出来ない人だ。
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