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しかし、目が合ったと言うのにそっぽを向かれてしまった。
いつもなら犬みたいに駆け寄るのに…。
つか、お互い日本語喋れるんだから日本語で話せよ。
何で英語出来ます的な会話の中に、出来ないオーラ全開のあたしを挟むんだ!?
2人のやり取りが全く分からないため、気が遠くなってきたあたしは、自分からルワギさんの手を解いて離れようとした。
『お?抵抗する気?』
「また英語かい!!ったく、お互い日本語話せるんですから日本語で会話して貰えます?
それと、暑いんで離して下さい」
『………は?』
唖然としているルワギさん。その様子を見て失笑する川端さん。
今のどこに笑う要素や驚く要素があったんだ?
さほど手に力が入っていなかったため、簡単に出る事が出来たが、依然として固まるルワギさんに何か声を掛けた方が良いのか迷った。
「……傑作だよ…しょーちゃん」
「………え?」
「ルワのあんな顔初めて見た」
迷っているあたしの後ろから、堪えきれていない笑いを漏らしながら話し掛けてくる川端さん。
目にはうっすら涙が滲んでいた。
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